365日、いつまでもふたりで

「あーもう、うるせぇな。好きだよ」



竜くんが照れたように言う言葉が聞こえてくる。



「……っ」



ふたりの視界に入らないまま、あたしは後ずさりをして席へと戻る。



「好き……って?」



たしかにあの人に〝好き〟だと言った。
それも照れた顔で、照れた声で。

見た感じ前からすごく仲のいい二人にみえた。
愛の言葉を告げるような仲だ。
そりゃ、仲のいい二人に決まってる。



「茜、遅くなってごめんな」



さっきまで別の人に愛の言葉を告げていたこの人は、何でもないような顔をしてあたしの前に戻ってきた。



「うん……」



なんて言ったらいいかなんてわからない。
うまくわらえてるかどうかもわからない。



「茜?どうかした?」



竜くんの顔を見ることができなくて、俯いてるあたしの顔を上げる。



「ううん、大丈夫」



目の前にあった竜くんはとても優しい瞳をしていて、直視することなんてできない。