ちちちっ…と鳥が鳴いて私はむくりと起きた










「此処は…どこ?」











周りを見て旅館のように高級感のある部屋に驚きを隠せないでいた








枕元にはアイロンでもしてあるかのように
シワのない制服が置いてあった








…浴衣?
いつの間にか薄黄色の浴衣を着せられていたみたい





あ…夢じゃなかったんだって現実に引き戻された







本当に違う世界に来ちゃったんだ

















その時襖から声が聞こえた








「起きたよう
主にしらせよう」









「急ぐよーう」










そう言ってパタパタと足音を立てながら去っていくのがわかった







「ちょっ、ちょっとまって!」









此処は何処なのか、教えて欲しい










夢じゃ、幻じゃなかったら詳しく私が納得できるように教えて欲しい











そうじゃなきゃ、私の頭がパンクしそう










襖を開けると左右に果てなく続く廊下があった








もう、さっき話していた主は居なくて途方に暮れていた









もう少し早ければ間に合ってたのかな〜?








まぁいいや、早く帰り道を教えてもらってかえらなきゃ








いや…本当に獣だったら話される前に食べられちゃうかも!?









食べないってあの人は言ってたけど









騙して、食べるんじゃ…