「きゃはははは!ほら!あんたもやんなよ!」

ここは水原高校2階の女子トイレ。

あたしの友達…の葉山 咲子 がクラスメイトの深山さんにモップを押し付けている。

あたしは、それを眺めていることしか出来なかった。

「ほら泰葉ぁ…さっさとやんなよっ!」

あたしに咲子が持っていたモップが渡される。

……ここでやらないと


またいじめられる。

「…うん!」

あたしはモップを受け取り、深山さんの顔に押し付けた。

「お願いします…もうやめてっ。」

綺麗な黒髪で可愛らしい顔が涙と鼻水でどんどん汚くなっていく。

「やるじゃん。泰葉。」

掛けられた言葉に頬が緩む。

友達といる毎日はとても幸せだった。
深山さんをいじめることによって、あたし達には絶対の絆が生まれた。