肌触りのいいシルクのような不思議な生地を、丁寧にテーブルに被せる。
それだけで一気に部屋の雰囲気は無機質なものから柔らかいものへと変化した。
エルとルーに励まされ、私は“今できること”を探して、ベッドに横になっているレリアスの部屋を尋ねた。
勿論、ここは翠の宮殿である。
「……痩せたな」
『それはレリアスもでしょ?でも、もう傷は全部塞がったみたい。』
「傷自体は治癒能力のおかげで塞がったけど、その分、体が重い。」
『過度の傷を負ったせいで、体が追いついていないんだね。』
少し伸びた白銀で先の青っぽく、綺麗なウェーブした髪を、彼は鬱陶しそうに後ろで束ねた。
その際に零れる髪の様子は、とても妖艶だ。
『髪、伸びたね…切ろうか?』
「いや…全部終わるまで、切らない。」
レリアスがふと言った言葉には重みがあって、私の元いた世界で言う“願掛け”みたいなものだとわかった。
「俺は、戦うよ。
お前の為じゃない、自分の為に…。」
『……それ、宙も言ってたんだよ。』
声が微かに震えた。
自分でも驚いて、はっと顔を背ける。
『ご、ごめん…
レリアスは宙とは違うのに……。』
「いや……たぶん、俺もあいつと同じことを考えてるから。」
『……どういうこと?』
ベッドで上半身を起こしている彼の顔を見ないようにして返事をする。
そんな私の様子を見てか、彼は私の腕を引いて抱き寄せた。
『れ、レリアス?』
「あいつじゃなくて、
俺だったらよかったのに。」
そう呟いたあと、彼ははっとしたように私を離して部屋を出ていった。
私は固まったまま、動けない。
『今の……どういう』
振り返った時には彼はとっくにいなくて、ただ誰もいなくなった部屋に、ぽつんと取り残された。

