「嫌いなんだから触らないでよ!」



そのまま教室を出てってしまう。



「…なんでだろう」



あの頃、あまり社交的じゃなかった俺は
里菜の〝嫌い〟って言葉にショックを受けてこの性格になったのに。
どうしてこの性格になっても嫌われてるんだろう。



「そんなショック受けないで?ね?」



赤坂が俺の手を握る。



「受けるだろ…そりゃ」



この性格で誰にも嫌われないようにやってきたんだ。
なんで、1番嫌われたくないやつには嫌われたままなんだよ。



「夏井くんだけじゃないと思うよ?里菜いわゆる犬系男子が嫌いで…」


「どーゆーことだよ…」



あの頃こんな性格じゃなかったのに嫌われてんだよ。
俺はどんな性格でもあいつに嫌われるのかよ。



「じゃあ猫系になればいんじゃない!?」



目の前の…、えーっと平井だっけな。
そいつが得意げに宣言する。