倒れてから一ヶ月半がたって、六月も終わりという頃、やっと退院出来た。


長かった...。


けど、運動規制も増えて、車椅子生活になった。


前よりも薬はどっと増えて、食事も規制されて、もう、乗り越えられない気がする。


「久しぶりの学校、緊張する?」


「うん...」


緊張しかしない、もうむしろ行きたくないに心が傾いてる。


「だろうと思って、紗彩ちゃんが一緒に学校行ってくれるらしいよ」


お母さんが言った途端、車が止まった。


「久しぶり!!芽衣〜!」


「あ...紗彩...久しぶり...」


顔を見た瞬間、涙が溢れ出た。


「芽衣なんで泣いてんのよ〜」


また、紗彩と学校に行ける。


それが何故か嬉しかった。


「さ、着いたよ。ちょっと待ってね」


お母さんは車を降りると車椅子を開けてドアの前に置いてくれた。


紗彩の肩を借りて、車椅子に乗った。


「芽衣、紗彩ちゃん、行ってらっしゃい!」


「行ってきます!」


紗彩は車椅子をゆっくりと押してくれた。


「紗彩ごめんね?貴重な朝のデートの時間奪っちゃって...」


「何言ってんの〜、芽衣の為なら何でもするもん〜」


こんな優しい友達をもてて、やっぱり自分は幸せ者なのかな...