「そうだ!向井ちゃん、ちょっと待ってて!」 藤堂さんは何か思い付いたのか、箒をその場に放り投げて廊下から中へ入っていく。 「え、藤堂さん!?」 突然の彼の行動に声が裏返った。 でも、私の声は聞こえていないのか、藤堂さんの姿は私の前から消えていた。 えー、突然何なの? 箒を持ったまま呆けていると、中から怒鳴り声がした。 「誰だ、屯所の廊下走ってる奴!?」 土方さんの声だ。 ああ、藤堂さん。絶対に怒られるパターンだよ……。