「お前、本当に総司に嫌われてんだな」 ふと、後ろから土方さんの声がした。 振り返れば、土方さんが障子戸に軽く寄りかかりながら私を見下ろしていた。 「……私、嫌われるようなことしました?」 「いや、してねぇよ。まあ、アイツは猫みてぇに気紛れな性格だ。気にすんな」 気にするなと言われても気にするでしょ……。 幕末に来て、約一日。 既に前途多難な問題にぶち当たるのだった……。