「今ってこの時代は初夏なのかな?」 屯所の庭は新緑に満ちていて、現代の冬の真っ白な景色とは違う。 「此処にいたか」 ふと、脇から声がした。 声がした方を見れば、そこには無口な人がいた。 「貴方は……」 「斎藤一。さっき、火傷していただろう?これを塗ると良い」 そう言って、彼が差し出したのは火傷に効く軟膏だった。