「熱っ」 お湯を沸かすとき、触らなくて良い場所に触ってしまった私は反射的にそこから手を引っ込めた。 「大丈夫かい?火傷してないかい?」 「だ、大丈夫です」 指が少しヒリヒリするけどまあ、大丈夫だ。 私は四苦八苦しながらどうにかお茶を入れると、お盆に乗せる。 「ありがとうございました、井上さん」 もう一人の無口な人にもお礼を言おうとしたけど、夕食の支度だったのかそれを終えるとその場からいなくなってしまった。 だから、とりあえず井上さんにだけお礼を言って、土方さんの部屋に戻る。