「そういや、まだ教えてなかったな。チッ、面倒だな」 「……今、舌打ちしました?」 「してねぇよ。ほら、案内してやるから来い」 土方さんは面倒臭そうに立ち上がると、台所に案内してくれた。 「此処が勝手場だ」 少し歩いた場所に台所があって、そこには見たことない男の人とさっき真っ赤になっていた無口の人がいた。 「おや、トシさん。勝手場に何の用だい?」 「俺じゃねぇよ。こいつが場所分かんねぇって言うから連れてきた」 見たことない男の人は私の姿を見つけると、納得したような顔をした。