「平助」





「ん?あ、鼻血止まった!」




鼻栓を抜いて、鼻血が止まったことを喜ぶ平助。




大したことじゃなくても喜べる平助が羨ましい。





あの二人が恋仲でも素直に喜べるように俺はなりたい。




「……何でもない」





呼んでおいて何も言わない俺に平助は頭を傾げていた。





本当に羨ましいよ。あの人もあの女も。





俺の大切なモノを自分のモノにしてしまうんだから──。








side沖田 end