「うん、そうだね。僕の嫌いな女に似てる」 俺は芸妓のひまりが嫌いだ。 あの女は俺からあの人を奪った。 近藤さんと同じく兄のように慕っていたあの人を……。 「総司、いくらひまりさんが嫌いでもあの子はひまりさんじゃないんだから同じ態度を取るのは……」 「分かってるよ。でも、腹が立つんだ。副長としての土方さんもあの女に捕られるみたいで」 男としてのあの人はあの女のモノなのは構わない。 でも、江戸から一緒で副長としてのあの人は部下である俺達のモノだ。 それなのに……。