アオイロノヒマワリ ―咲―



藤堂さんを憐れみながら着物一式を畳の上に置く。




そして、芸妓の着物を脱ごうとして手を止めた。





「あの、土方さん」




「あ?」




「着物ってどう脱ぐんですか?」





私の言葉に、土方さんは驚いたように此方を向いた。





「お前の時代は着物じゃねぇのか?」





「はい」





「なら、どうやって着たんだ?」





「店の人に着せてもらいました。趣味で自分で着付けが出来る人はいますけど、ほとんどの人は自分で着れないですよ」





平成は……江戸時代以降は洋服が多くなったことを詳しく話すのは良くないと思い、それしか言わなかった。