「まあ、良い。とりあえず、てめぇは間者ではないみてぇだな」 間者? 確かスパイのことだっけ? 疑われているなーっては思ってたけど、本当に疑われてたのね……。 頭を垂れてため息を吐くと、スマホを巾着にしまう。 「じゃあ、私は無罪放免ということで」 私は巾着を手に立ち上がると、襖に手をかける。 「ちょっと君!」 ふと、近藤さんが呼び止めてくる。