「そんな名前の場所はこの日ノ本にはねぇよ」 「でしょうね。でも、私はこの日本から来たんです」 「だから、そんな名前の場所は──」 「誰がこの時代と言いましたか?」 土方さんの言葉を遮りぎみに言う。 「は?」 「私は平成……、未来から来ました」 「…………は?」 彼が目を点にすると同時に、閉じられていた襖が勢いよく開いた。