「まあ、尻だけは褒めてやるよ」 ──プツン。 自分の中で何かが切れる音がした。 「この変態!下ろせ、このスケベ男!」 腰に回された腕から逃れようと暴言を吐きながら、土方さんの背中を叩く。 でも、どんなに動いてもその腕からは抜けられなかった。 「いてぇよ!……何故、俺はこんな猿みたいな女とひまりを間違えたんだ?」 「猿って何!?きー、良いから離せーッ!」 私の叫びが夜の花街に響いた。