「何故が何故ですよ!良いから下ろして──」 「向井?」 すると、後ろから土方さんの声がする。 声がしたを見れば、ホッとしたような顔の土方さんがいた。 「土方さん、あの……」 「謝るな。お前が無事で良かった」 土方さんは私の方に来ると頭を撫でてくれようとしたのか、手を伸ばしてきた。 でも、その手は私の頭に触れることはなかった。 何故なら、私を抱き上げたままの沖田さんがひょいと私の身体をずらしたからだ。