「落ち着きなさい、平助。今総司とトシが探しているから直に見つかるだろう」
「……近藤さん、貴方も落ち着いて下さい。先程からうろうろしすぎです」
今度は近藤さんと斎藤さんの声だ。
ふと、前を歩く沖田さんの小さな笑い声がした。
「皆君が心配で仕方ないんだな。……俺もか」
楽しそうな彼の声に頭を傾げると、屯所に入る門にさしかかる。
そして、門を潜れば彼らが集まっていた。
今にも外に飛び出そうとする原田さんと平助君を止める永倉さん、うろうろと歩き回る近藤さんにそれを見て苦笑いの斎藤さんと井上さん。
ああ、帰ってきたんだ……。



