「副長!」 すると、山崎が音もなく俺の横に立つ。 「どうした?」 「長州の残兵と思われる者達が街を彷徨いているとの情報が入りました。恐らく、我々の巡察が終える頃を見計らって動いているようです」 長州の残兵? まずい、戦えない向井がそいつらと会ったら……。 「てめぇら、急いで──」 ふと、手から総司の柔らかい髪の感触が消えた。 そして、消えたと気づいたときには総司の姿は目の前から消えていた。