「左之!」 「左之さん!」 新八と平助が今にも二発目を総司に食らわせようとしている原田を押さえつけた。 殴られた総司はよろけながらも体勢を整え、原田を睨む。 「痛いですよ、原田さん。あ、口の中が切れた」 「何呑気なこと言ってやがんだ!てめぇが昼間アイツに言ったこと忘れたのか!?」 昼間? そういや、向井と原田が出掛けたあと、総司も出掛けていったな。 「ああ、あれですか。冗談ですよ、冗談」 総司は切れた唇の端に触れると、顔をしかめる。