「え!土方さん!四半刻って──寝るの早い!」 問う前に、彼は文机の書類を退けてそこに突っ伏して寝てしまっていた。 えー、どうしよう……。 私は土方さんの一方的なお願いにため息を吐くと、彼に近付いた。 いつも険しい顔をしている彼の寝顔はとても穏やかだ。 今まで会ったことがないくらい綺麗な人。 私が初めて好きになって失恋した人。 失恋だと分かっても好きな人。