そう聞きたかったけど、聞けなかった。 私は原田さんに引っ張られるようにして街を歩く。 歩くの速い、転びそう……っ! 「は、原田さん!歩くのが速いです!」 前を歩く原田さんにそう訴えたけど、速さは揺るまない。 「原田さ──」 「……早く帰らねぇとお前が居なくなっちまう気がするんだ」 「え?」 すると、原田さんは足を止めて私の方を見た。