「私は大丈夫です。帰りましょう」 出来るだけ声が震えないようにして無理矢理笑顔を作った。 ……もう分かったからそれ以上ケンカしないでほしい。 私のぎこちない笑みに原田さんは唇を噛むと、沖田さんを離す。 そして、私の手を掴むと甘味処を出ようとする。 「祥成、また来るね」 唖然としている祥成に手を振って、私は引きずられるようにして甘味処を出た。 でも、出る直前に見えた沖田さんの表情に驚いた。 何で貴方が泣きそうな顔してるの?