「原田さん」 「ん?」 「読めません」 私の言葉に、原田さんは盛大に吹き出す。 「はっははは!お前、まだこっちの字が読めないのか?」 「読めなくても困りませんから」 「いや、現に困ってるだろ。ちなみにところてん、あんみつ、団子、くずきりとかだな」 ……全然難しいものじゃなかった。 というか、平仮名だし読もうと思えば読めたし。 私は自分の読解力の無さに項垂れた。