「沖田さん……」 名前を呼んでも返事はない。 多分寝てしまったのだろう。 でも、そんな彼に私は一方的に話しかけた。 「私も貴方と同じです。叶わない恋をしました。でも、叶わなくてもあの人が幸せならいいと思ってしまうんです」 好きな人が幸せならそれでいい。 私は恋する気持ちを知れただけで充分だ。