「沖田さん、入ります」 嫌がられるかもしれないけど、一応部屋の前で声をかけた。 でも、返事はない。 ゆっくり襖を開けてみると、沖田さんは布団で眠っていた。 静かに部屋に入って彼に近付くと、布団の脇に座る。 「顔赤いな……」 平助君の言うとおり、沖田さんは熱があるのか顔が赤かった。 私は持ってきた桶の水で手拭いを濡らすと、彼の額に乗せる。