その夜。 「あれ、平助君。どうしたの?」 喉が渇いて水でも飲もうと井戸に行くと、平助君が桶を抱えていくのが見えた。 「あ、向井ちゃん。いや、総司が体調悪いみたいでさ」 「沖田さんが?」 「熱あるみたいだからとりあえず、水桶と手拭い持っていこうと思って」 今にも走っていこうとする平助君だけど、彼もまだ額に包帯を巻いている。 「平助君、沖田さんの所には私が行くよ」 私がそう言えば、平助君は首を横に振る。