「俺は先に行く。お前も着替えたら広間に来い」 「はい!」 土方さんは険しい顔のまま部屋を出ていく。 早朝の爆発音に街から上がる黒煙。 恐らく長州が御所に攻撃し、後に逆賊として扱われる事件……《禁門の変》が起きてるんだと思う。 「希月は何かしたかな……」 浪士とはいえ、長州側についている希月が今回のことについて何か情報を渡しているかもしれない。 そうなれば、私の知る史実の知識は無駄なものだ。