突くような視線をぶつけてくる二人に近付くと、私は高杉の膳にある徳利を手に取る。
そして、その徳利を傾けた。
「……長州は明日にでも朝廷に弓引く逆賊になります」
「「!?」」
驚く二人をよそに、私は畳に染みていくお酒を見ていた。
お酒が染みたところはだんだんと色が濃くなっていく。
──もう月の影は深くなりすぎた。
どんなに太陽が照らしても輝くことはない。
ねぇ、日葵ちゃん。
君の光、私が奪ってあげる──。
side希月 end
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