何でって決まってる。




「知ってて言えないお前が一番苦しんでるって分かってるからだよ」




俺の言葉に、向井は驚いたような顔をする。





突然未来からこの時代に来て、訳が分からない状態のこいつの不安は平助づてに聞いている。




強気な態度や言葉を言っていてもまだ年端もいかねぇ少女だ。




小さい身体で抱えるには大きすぎるものをこいつは抱えてる。




それを言ってしまえば俺達の行く末は変わり、こいつがいた未来も大きく変わってしまうかもしれない重大な真実。





言っても、隠していても向井の負担は大きいはすだ。