「……黄泉に行くのはアンタだ」 苦しそうな息遣いが耳許で聞こえる。 血生臭い匂いと共に、お菓子のような花のような甘い香りがした。 「沖田さん……?」 沖田さんは私を後ろに追いやると、浪士の身体を貫いた刀を引き抜く。 「吉田!」 桂さんが浪士の名を呼ぶと、浪士は血を吐きながら彼を見る。 「お……逃げ……さ……い……か、……ら……せ……」 途切れ途切れに言った浪士はそのまま床へと倒れ、ピクリとも動かなくなった。