「何してるの、早く退け!」
「嫌です。私が退けば沖田さんが斬られてしまいます」
「馬鹿が!未来に帰るつもりでいるくせに此処で死んでどう──」
「私が生きて、沖田さんが死ぬなんて嫌なんです!」
つい怒鳴ってしまうと、沖田さんは驚いたように目を見開く。
……幸いにも平助君は桂さん達の死角になっている。
なら、せめて近くにいる沖田さんくらい守って死にたい。
それが歴史を変えてしまっているかもしれない私が受ける罰なら受けるしかない。
「残念だな、俺はどちらも殺すぞ」
浪士はニタリと笑うと刀を持ち上げた。



