「そこを退け。死にたいの?」 すると、後ろから沖田さんの声がする。 彼の方を見れば口許を赤く染め、苦しそうに息をしている。 私が退いたら沖田さんが斬られる。 でも、退かなかったら私も沖田さんも斬られる。 彼を見捨てて、彼が斬られるのを黙ってみてるの? ──そんなのダメだ。 私は大きく息を吐くと、沖田さんを守るように両手を広げた。