「君が彼らの姫ですか」 目の前の男の人が私の姿に穏やかに笑う。 多分この人は後の木戸孝允……桂小五郎だと思う。 でも、おかしい。 桂小五郎が池田屋の時にいたなんて聞いた覚えがない。 それなのに、いるということは希月が話したに違いない。 希月……アンタって子は……。 私は拳を握りしめると、桂さんを睨む。