「沖田さん!」 ふと、あの娘の声がした。 ふと、目の前に華奢な体躯が見えた。 ふと、あの娘の……陽だまりのような香りがした。 何故……。 何故、君が此処にいるんだよ……。 「君が彼らの姫ですか」 桂の楽しそうな声がする。 奴が姫と比喩するあの娘──向井日葵は小さな身体で俺を守るように立ち塞がっていた。 沖田side end