「助けて、誰か!」 周りの人に助けを求めるけど、見て見ぬ振りだ。 多分、面倒ごとには首を突っ込みたくないのだろう。 助けを期待できないなら、自分でやるしかない。 「あ!空飛ぶ猫!」 「え!?」 私の言葉に男だけでなく、周りの人も空を見る。 その僅かに出来た隙に私は男の手を振り払い、再び走り出した。 「あ!待ちやがれ!」 男の怒号と共に後ろから追いかけてくる足尾とがした。