前の方にいる土方さん達の後ろにいる私は気が重かった。 歴史を変えることを禁忌と思っている私は救える命があるのに、それを見捨てようとしている。 それは人殺しと同じなのかもしれない。 「……本当に困ったなぁ……」 「なら、話しちゃえば?」 ため息混じりに呟くと、聞きなれた声がした。 振り返れば、そこには昼間と同じ姿の希月が立っていた。 「困るくらいなら話しちゃいなよ、日葵ちゃん」 希月はニッコリと口角を上げて笑った。