「はい」 「危険かもしれねぇが、お前は俺の隊の方に来い。もしもの時の伝令役になってもらう」 というのは口実だろう。 多分土方さんは山南さんと私を屯所に残すのが不安なのだろう。 じゃなかったら、剣が使えない私を連れていく訳がない。 「分かりました」 「よし、出陣しよう。近藤さん」 土方さんが近藤さんに目配せすると、近藤さんが一声上げる。 「新選組、出陣だ!」 その声と共に、浅葱色の羽織を纏った彼らが外へ飛び出した。