「嫌よ嫌よも好きのうちってな」 いやいや、好きじゃないし。本気で嫌なんだけど。 私は楽天的な男の性格に苛立ちを感じながらも、その手を払おうと必死だった。 このまま行ったら、嫌な予感しかしない。 一刻も早く逃げないと……。 「そうだ。酌以外にも付き合ってもらうかな……」 突然足を止めた男は私の方を振り返ると、品定めするような目で見てくる。 上から下へ下がる目は気持ち悪い。 それと、本気で逃げないとヤバイ。