「いでででで!」
痛そうに涙目になる男を見て、現実なのだと実感する。
「やだ、本当に此処江戸時代なの?あり得なくない、タイムスリップとか」
私は目の前の男に真顔で問う。
この時点で私の頭はキャパオーバーで、自分の行動の意味が分かっていない。
「何、意味わかんねぇこと言ってんだよ!?俺の顔をつねったんだ、酌ぐらいしろ!」
男はいきなり私の手を掴み、ズンズンと歩き出す。
そこで私ははっと我に返る。
「ちょっと、やだ!離してよ!」
ズンズンと歩く男の血からに勝てる訳がないけど、私はその場に踏み留まろうとした。



