「面白い女だな。名は?」 「光岡希月」 「希月か……。良い名だな」 少女──、希月は不快そうな顔をする。 何故なら、彼女は己の名が嫌いだからだ。 「別に、あと始めに言っておきます。私が言うことは真実ですので、疑わないでください」 「?」 「私は未来から来ました」 そう告げた希月の目に光を宿していなかった。 すべてに絶望したように真っ黒だった──。