その夜。




「あの、これは一体……」




私は目の前に並ぶ華やかな料理を呆然と見ていた。





「何だ、日葵。食べないのか?」




隣に座る原田さんがお猪口を傾けながら呆然とする私を見る。





「いや、食べますけど。何で私まで島原に来てるんですか?」





そう、私は今、近藤さんや山南さん、井上さんを除いた事情を知る幹部達に連れられて島原に来ている。




「何でって飲みに来てるに決まってるだろ」




「違うだろ、原田。俺達がいない屯所に向井を一人にするのは危険だと副長が判断して連れてきたんだ」





少し酔い始めている原田さんの言葉を、その隣の斎藤さんが訂正する。