この声……。 すると、私の頬から山南さんの指が離れたかと思うと、広い背中が目の前に現れた。 「何の真似かな、土方君」 「それはこっちの台詞だ、山南さん。こいつに未来のことは聞かねぇって言ったはずだ」 土方さんは背中越しに私をチラリと見ると、もう一度山南さんを睨む。 そんな彼の睨みに山南さんはため息を吐いた。 「……鬼の副長の面汚しも良いところだ」 「何だと?」 山南さんの言葉でただでさえ悪い空気が更に悪化する。