すると、山南さんは私に近付くと指で頬を撫でてきた。 そのあまりに冷たい指に体がびくりと揺れる。 「君がこの時代にいる時点で未来はもう変わっているかもしれないよ?」 山南さんの声が悪魔の声に聞こえる。 皆、この人を仏なんて言うけど、私からすれば悪魔だ。 私は山南さんの手を払って逃げようとしたけど、体は重りがついたみたいに重い。 「さぁ、話してごらん?君の知る未来を──」 「何言ってやがんだ、山南さん」 冷たい山南さんの声に、低く重い声が重なる。