廊下をスタスタと歩く山崎さんの後を早足でついていく。 「あの、山崎さん!」 名前を呼べば、山崎さんは足を止めて私の方を見た。 「火傷なんですけど、既に治って──」 「知っていますよ」 「へ?」 あっさりとした山崎さんの言葉に、すっとんきょうな声が出た。 その時の私の顔が余程変だったのか、山崎さんはクスリと笑った。