「土方さん、入りますよ」




障子越しに声をかけると、中から短い返事が聞こえた。





静かに障子を開け中に入ろうとしたら、室内に土方さんの他にもう二人の男の人がいることに気付く。





この数日で見たことが無い人達だった。





一人は左手を首から下げた布で吊った穏やかな人、もう一人は中性的な顔立ちの人だ。




「彼女が向井さんかい?」





穏やかな方の男の人は文机の方にいる土方さんをチラリと見ると、私を見て笑う。





……何か、この笑顔が怖いんだけど。