「何か向井ちゃんって放っておけないんだよね。何て言うか、妹みたいな?妹がいたらこんな感じなのかなーって」 妹? 確かに言われてみれば、藤堂さんが頼りになるように思えるのはそういった目で彼が私を見ているからなのかもしれない。 私には兄弟はいない。 でも、いたらこんな感じなのだろうと思った。 「だからさ、俺のことは兄貴みたいに思って気兼ねなく話してよ」 また頭を撫でられて、何か照れ臭くなった。 「ありがとうございます……」 照れ臭くて小声でいうと、彼はグシャグシャと私の頭を掻き回す。