◻夏翠side◼



信じるのが、怖かった。


息をするように嘘をつき、離れていく友達だったはずの人たち。


その別れが毎回、悲しくて。


私の軽率な行動できずついた飛鷹を、もう二度とみたくなくて、私は逃げ出した。


けど、目の前の女の子は……


「理由なんかない!」


元気一杯にそう言いきって。


繋ぐことを忘れた手に、温もりをくれた。