“愛してる”
……その言葉を、音に出来ぬまま、愚かな行為を繰り返す。
お互いに、居場所を探して、求め合う。
握手を交わし、笑い合う。
『今日から、よろしく!“仮彼氏さん”』
……その時間が、どれだけ貴重なものだったか。
『馬鹿馬鹿しい。俺は俺の好きにやる』
忘れてく。
前世の記憶。
『良いのかい?君の選択で、お前の愛しい人は、命を落とすことになるのに』
――……静かに、迫ってく。
愛憎物語の最後。
そして、
『相馬に、出逢えて、良かった……っ』
巫女の、最期。
息絶える、その瞬間。
『死ぬな、沙耶……俺や、子供を置いて……』
たくさんの血と、汗と、涙が流れた。
その中で、私は頑張れた?
『そなたを巻き込みたくなかったのに……』
“姫”、貴女は幸せでしたか?
……“私”は、幸せでした。
『共に逝こう。どこまでも』
何百年、何千年、世界を越えて、叫ぶ。
『はっ、それが俺の前世名か?』
たくさんの仲間ができた、喜びを。
『またな』
多くの人が死んだ、悲しみを。
『愛してる』
ただ、一人に捧ぐ、愛を。